昔の人は上手に名前を付けたもので、
ベイマツを材の外観、材質、加工性の点で北米産のマツと間違っても不思議ではありません。
このほかベイスギ、ベイヒ、ベイヒバ、ベイツガ、ベイモミのように、
一部に国産の針葉樹材の名前を付けた北米産材がいくつかあります。
これらの材はそれぞれ国産のスギ、ヒノキ、ヒバ、ツガ、モミに代わる材として輸入されたもので、
材質、外観などの似ている点が多く、用途も一致することが多いです。
これらの木の中でもベイヒとヒノキ、ベイツガとツガ、ベイモミとモミとは
それぞれ植物学的に同じ属の類縁種であるが、ベイマツとマツ、ベイスギとスギ、ベイヒバとヒバとは
それぞれ違った属の木です。
日本には単に「マツ」という名の木はなく、
マツ科マツ属の木を一般にマツ類(マツの仲間)と呼んでいます。
マツ属の木は天然には北半球に広く分布し、
日本にはアカマツ、クロマツの他、ヒメコマツ(ゴヨウマツ)、リュウキュウマツが生育しています。
これらの木の材質には共通点があります。
特にアカマツとクロマツは材で比べると区別できないが、
ヒメコマツはこの二種と肌目の精粗が多少違っています。
国産の木でもカラマツ、エゾマツ、トドマツなどのように名前の一部にマツと付いている木があるが、
マツ属の木ではなく、カラマツはカラマツ属、エゾマツはトウヒ属、トドマツはモミ属です。
それぞれ材質の点でアカマツとはかなり違っています。