ミクロな細胞で反射する光

　木材は「パイプ状の細長い細胞」の集合体です。

ですから木材の表面も、当然ですが、細胞の切断面が現れています。

ここに光があたると、細胞の凹凸で光の多くが散乱し、

このような光の反射が、スギやヒノキ特有の光沢を生み出しています。

樹種特有のテクスチャー（質感）や味わいは、

細胞にあたった光がミクロに散乱することでつくりだされているのです。

　また、光の正反射が少なくマイルドになるため、

金属やプラスチックからの反射光のような刺激的なまぶしさも感じられません。

　もう一つ特徴的なのが、節のある材です。

節のまわりの細胞は、傾いてもぐり込んでいるところがあります。

この部分に光があたると、光らなかったり、光って見えたりしますが、

これも光の反射が一定ではないからです。

　節の周りのこのような光沢は、印刷した模様にはない、本物感、リアル感があります。

節の「自然な」イメージが好感をもって受け入れられているのは、

このようなことが大きな要因となっているようです。