挽物は鋸で挽いたもの? その1

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 「挽物」とは旋削加工したもので、木工旋盤やロクロ(前挽き旋盤)を使い、軸に材料を取り付け、

これを回転させながら刃物を当てて切削し、断面が円形の製品に加工したものをいいます。

 ロクロの軸を回転させるには、軸のほぼ中央に引き綱を2~3回巻き付け、

鋼の端を引いて軸を回転させます。

このことから「ロクロをひく」という言葉が出、「挽く」という言葉自身、

旋削することを意味するようになりました。

そこで前挽き、荒挽き、仕上げ挽きなどのように使われています。

もちろん現在では軸は電動機で回転させています。

このことからわかるように、「挽く」という言葉は鋸を挽くという意味ではありません。

 製品としては椀、盆、木皿などの漆器木地、こけし、玩具などがあります。

挽物用材としては、トチノキ、ブナ、ケヤキ、クリなどの落葉広葉樹が主であるが、

ヒノキなども使用されます。

材質として肌目が精緻、工作が容易で、割れ難く、狂いが少ないことが重要視されるほか、

透明塗料仕上げする場合には、木理模様の美しい環孔材が使われます。

弥生時代の遺跡から出土している高圷や椀のような容器があるので、古くからあった加工法のようです。

奈良時代に百万基作られ、今も法隆寺に四万基以上残っている百万塔にみられるように、

挽物は大量生産に適した加工法でもあります。






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