グリーン材を使って建築しても、いずれ乾くから大丈夫である? その2

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 住宅建築用材の場合、適正な含水率まで乾いていない木材を使ったときに現れる主な障害の一つに

部材の収縮による狂いがあります。

例えばスギやヒノキの120mm角の背割りをした心持ち材があるとします。

グリーン材から気乾材まで乾燥する過程で、

背割りしていない面では材幅がおおよそ115mmまでに縮まり、

背割りをしている面では、背割りが開くので、材幅は125mm程度にまで広がります。

この結果、柱と壁の間にすき間ができたり、壁クロスに裂けやしわが発生します。

 さらに断面が大きい材の割れ、梁・桁のせいの減少による床面の低下、板目板の反り、

床部材間のすき間、床鳴りが生じます。

仕口や継手では収縮によって結合部にゆるみや割れが生じたり、

釘やボルトなどの結合がゆるんで結合力が低下することもあります。

 このほか、あまり知られてはいないが、ピアノのように重い家具を置いた床の根太のような、

水平部材として木材を使うときに起こる問題があります。

荷重が加わっている水平部材のタワミは乾いた木を使っていればそれほど大きくないが、

グリーン材を使ったならばこのタワミが最初の5~8倍に達することがあります。

その上、このタワミは荷重を除いた後も元の状態には戻りません。

 また接着や塗装を施工した後で木材が乾燥・収縮することによって、

接着層や塗膜が木材から剥がれ、十分な接着や塗装の効果を得ることができません。


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