精巧なつくりの木材細胞壁

カテゴリー │未来材料「木材」・・・強さとその秘密

 細胞壁を詳しく見ると、複合構造になっています。

細胞壁の主要な化学成分は、セルロース、ヘミセルロース、リグニンと呼ばれる物質で、

これらが互いに助け合い、堅くて強いがそれでいてしなやかな木材の特質を作り出しています。

 木材細胞壁の強固な構造は、よく鉄筋コンクリートに例えられます。

セルロースは、30~40本束になってミクロフィブリルと呼ばれる長い繊維を構成しています。

これが太くて長い鉄筋に、ヘミセルロースは鉄筋を組み立てるときの細い針金に、

そしてリグニンはコンクリートに例えられます。

しかし、実際には、木材細胞壁は鉄筋コンクリートに比べ、はるかに軽く、ずっと強靭です。

その秘密は、細胞の中空構造と、細胞壁の複合構造に加え、ミクロフィブリル(鉄筋)が急勾配で

螺旋状に規則正しく並んでいるヘリカルワインディング構造にあります。

縄や綱が単に繊維を束ねるだけでなく、ねじり合わせることによって強さを増すのと同じで、

ヘリカルワインディング構造は力学的に優れた構造なのです。

 木材細胞壁の優れた構造は、ロケットのボディなどの模範となっています。

カーボンファイバーの釣竿やスキー、ゴルフクラブのシャフトなど、身近なところにも活用されています。




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